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執筆者の写真iso:R

Maag Audio EQ4の謎に迫る


今回はPlugin Allianceから出ているMäag Audio EQ4の検証です。


EQ4の特徴、強みはなんと言ってもAIRバンドでしょう。

高域を嫌味なくブーストできて、空気感や存在感を演出できます。

結構ガッツリブーストしても破綻しにくい不思議なEQだなーと思っています。


音の感じは実際に試していただかないと説明できませんが、毎度お馴染みPluginDoctorで測ってみたところ、いくつかクセがあるようなので見ていきましょう。




挿した段階で起こる変化


EQ4はAIR以外のバンドは周波数固定になっています。

低い方からSUB(10Hz)、40Hz、160Hz、650Hz、2.5k Hz、AIR (2.5kHz〜40kHz)です。


↓まず刺した段階でこのような変化が見られます。各バンドのポイントがちょっと上がってますね。そしてSUB (10Hz)以下はロールオフしています。





ブースト時の挙動


これはマニュアルにも明記してありますが、1つのバンドをブーストすると全体のレベルも追従して上がってきます。


↓SUB (10Hz)を2.0ブーストしたところ。上の画像と比較すると他の帯域も1dB以上上がってますね。10Hzは他の帯域と比較でも2.0dB以上上がっているのでブースト量(ノブの数値)はあくまでも目安でしかない印象です。


↓40Hzを+2.5するとこんな感じ。全体が2.5dBあがり、40Hzはそこからさらに6dBくらい上がってます。

このように全体のレベルがかなり上がるので、「本当に良くなったか?」を判断するためにはEQ4の前後でキッチリレベルを合わせたほうが良いでしょう。


↓赤枠内のLEVEL TRIMで上がった分を下げてもよし。僕はabletonのUtilityで下げてます。

他のバンドも同じような挙動なので以下省略。


ちなみにカット時も全体が多少下がるようですが、ブースト時に比べると無視できるようなレベルでした。





AIRバンドの謎


EQ4最大の魅力であり、最大の謎でもあるAIRバンドを検証しましょう。

僕は40kHzを上げた時の音がとても好きです。

ですが、「可聴帯域外の40kHz以降のブーストだけでこんなに変わるわけなかろう」と思ったわけです。


ではPluginDoctorを192kHzに設定して検証です。横軸のスケールが変わっていますのでご注意を。


↓AIR BANDを40kHzに設定し+7.0dBした様子。10kHzあたりから大きく影響を受けている様子が分かりますね。


↓10kHz +7.0だと2kHz位から上がっています。

このように、実際にはもっと下の方からブーストが始まっているのですね。


もう一点わかるのは、AIRバンドのブーストによって起こる他の帯域への影響は、他5バンドのブースト時のそれよりもはるかに小さいということです。




まとめ


モデリング系のEQは見た目はシンプルでも謎の挙動をしていることがあります。

GUIの数値を鵜呑みにしてはいけないのです。

Pultecも結構複雑ですよね。Pultecについては以前noteで書きました。興味があれば読んでください。



EQ4はAIRバンドを筆頭に本当に魅力的ですが、ブースト時には全体のレベルが上がるので注意してね!

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